「船員になりたいけど、未経験でもなれるの?」 「資格がないと無理じゃないの?」 「どうやって求人を探せばいい?」
そんな疑問を持っているあなたへ。 私は30歳でトラックドライバーから転職し、全くの未経験・無資格・船の知識ゼロから内航船員になりました。
この記事では、未経験から内航船員になるための具体的な手順、必要な準備、実際にかかった費用、入社後の流れまで、すべて実体験に基づいて解説します。
結論:未経験でも船員になれます
答えは**「YES」**です。 内航船員は、未経験でも問題なくなれます。
私自身の入社時のスペックは以下の通りです。
- 海技士の資格:なし
- 船の経験:ゼロ
- 持っていた資格:小型船舶1級(※業務では使えないため実質無資格)
この状態で入社し、今は現役の船員として働いています。 専門的な知識は入社してから覚えれば大丈夫。やる気と体力さえあれば、誰でも船員になれます。
船員になるまでの6ステップ(全体像)
まずは全体像を把握しましょう。私は以下の流れで進めました。
- 求人を探す
- 応募・面接
- 健康診断(船員用)
- 入社準備(生活用品の購入)
- 乗船・研修開始
- 甲板手として勤務開始
所要期間:約1〜2ヶ月 私の場合はスピード重視で進めたため、5月後半に話を通してもらい、6月中旬に面接、7月1日に入社しました。
ステップ1:求人の探し方
船員の求人は特殊に見えますが、探し方は大きく4つあります。
1. 転職サイト・求人サイト
一般的なサイトにも船員の求人は掲載されています。検索キーワードは「船員」「内航船」「甲板員」「海運」などがおすすめです。
- doda:意外と船員募集の求人が見つかります。
- リクナビNEXT / Indeed / 求人ボックス:幅広く探せます。
2. ハローワーク
港町や海運会社が多いエリア(横浜、神戸、広島、愛媛、福岡など)のハローワークには、多くの船員求人が出ています。「船員専門」の窓口がある場合もあります。
3. 知り合いの紹介(私のケース)
私は母親の知人経由で紹介してもらいました。業界内は横のつながりが強いため、もし知り合いがいるならこの方法が一番スムーズで確実です。
4. 船員専門の求人サイト
「船員求人ナビ」や各海運会社の公式サイト採用ページもチェックしましょう。
ステップ2:応募・面接
一般的な転職活動と同じく、「履歴書」と「職務経歴書」を提出します。
面接で実際に聞かれたこと
私が面接で聞かれたのは、主に以下の3点でした。
① 船酔いは大丈夫か? 「たぶん大丈夫だと思います」と答えました。実際、今のところひどい船酔いはしていません。 (※内航船は外航船ほど揺れないことが多いですが、体質確認のために必ず聞かれます)
② すぐに下船できないけど大丈夫か? 「一度出港すると、次の港まで(場合によっては数週間)降りられませんが我慢できますか?」という確認です。これは船員特有の環境なので、覚悟が必要です。
③ 集団生活は大丈夫か? 船は10人前後で生活します。個室でプライベートは確保されますが、食事や仕事は常に一緒。「協調性があるか」を見られています。
※筆記試験について 私の会社はありませんでしたが、会社によっては簡単な一般常識や作文の試験がある場合もあります。
ステップ3:健康診断
内定が出たら、船に乗るための健康診断を受けます。
- 指定機関で受診:普通の健康診断ではなく、「船員法」に基づいた指定医療機関で受ける必要があります。
- 検査項目:視力、色覚、聴力など、船員特有の項目が重視されます。
- 費用:多くの場合、会社が負担してくれます(要確認)。
ステップ4:入社準備(必要なもの・費用)
船上生活に必要なものを買い揃えます。ここにはある程度のお金が必要です。
会社から支給されたもの
- 作業着 1着
- 安全靴 1足
- 寝具(会社による)
自分で用意したもの(購入品)
会社支給分だけでは足りないので、以下を準備しました。
- 作業着:3着(洗い替え用)
- 安全靴:2足
- 生活用品:シャンプー、洗剤、歯磨きセット、タオル類
- 私服:ジャージやTシャツなど(休憩・部屋着)
- ガジェット:充電器、イヤホン、タブレットなど
- 常備薬:風邪薬、酔い止め、鎮痛剤など
💡初期費用:約10万円
私の場合、これらを揃えるのに約10万円かかりました。一度揃えれば長く使えるので、最初だけの出費です。
ステップ5:乗船・研修開始
いよいよ乗船です。
初日の流れ
- 乗船:指定された港へ行き、船に乗り込みます。「これから新しい世界が始まる」とワクワクしました。
- 挨拶:船長や機関長など、乗組員全員(私の船は11名)に自己紹介。
- 船内案内:自分の個室、ブリッジ(操舵室)、食堂、風呂などの場所を確認します。
研修内容(OJT)
特に「研修期間」として座学があるわけではなく、**働きながら覚える(OJT)**スタイルでした。
- 専門用語:バウ(船首)、スターン(船尾)、オモテ、トモ、ポート(左舷)、スターボード(右舷)など。最初は呪文のように聞こえます。
- 作業手順:ロープの扱い方、着岸・離岸の手順、保守作業など。
正直、初日は驚きの連続です。トラックとは全く違う世界だと実感しました。最初の1〜2ヶ月は先輩の後ろについて、見て、やってみて、少しずつ覚えていきました。
必要な資格・免許について
入社時点:無資格でOK
普通自動車免許も、小型船舶免許も仕事では使いません。「資格ゼロ」で入社可能です。
入社後:海技士資格を目指す
船員としてキャリアアップ(昇進・昇給)するには、国家資格である**「海技士」**が必要です。
- 取得の流れ:一定期間乗船して「乗船履歴」を作る → 会社の費用で講習を受ける → 筆記・口述試験を受ける
- 費用:会社が全額負担してくれるケースが多いです。
私も現在は甲板手ですが、まずは4級海技士、ゆくゆくは3級を取得して士官(航海士)を目指しています。
給料・待遇・住環境(リアルな話)
- 初任給:私の場合は初月約30万円(乗船日数が短かったため)。通常3ヶ月フルで乗船していればもっと多くなります。
- 試用期間:なし。最初から正社員(甲板員)待遇でした。
- 住居:船が家です。休暇中は実家に帰ります。家賃がかからないのが最大のメリットです。
入社のハードル(年齢・学歴・体力)
- 年齢:20代〜30代前半が理想ですが、40代未経験で入社する人もいます。
- 学歴:中卒、高卒、大卒一切関係なし。
- 体力:テストはありませんが、力仕事が多いのである程度の体力は必須です。
船員になって良かったこと・注意点
メリット:お金が圧倒的に貯まる
船にいる間は食費・光熱費・家賃がタダ。お金を使う場所もないので、トラック時代とは比べ物にならないスピードで貯金できます。
デメリット:自由の制限
- 拘束時間:乗船中は気軽にコンビニに行けません。
- 電波:沖では圏外になることも(※最近はスターリンク導入船が増えており、私の船ではYouTubeも見れます)。
- 人間関係:逃げ場がありません。合わない上司がいても、休暇まで一緒です。こればかりは「仕事」と割り切るしかありません。
未経験から船員を目指す人へのアドバイス
- やる気があれば何とかなる 専門知識はゼロで大丈夫。素直に学ぶ姿勢があれば、周りが教えてくれます。
- 体力作りをしておく アスリート並みの体力は不要ですが、健康体であることは絶対条件です。
- 家族の理解を得る 数ヶ月家に帰れない仕事です。既婚者の方は、必ず家族と相談してから決めてください。
よくある質問(FAQ)
Q1: 泳げなくても大丈夫? A: 大丈夫です。もちろん泳げるに越したことはありませんが、必須条件ではありません。万が一の時はライフジャケットがあります。
Q2: 女性でもなれる? A: なれます。女性船員も増えていますが、設備面(トイレ・風呂)で女性対応していない船もあるため、求人確認が必要です。
Q3: 船酔いが心配です A: 最初は誰でも心配ですが、内航船は比較的揺れが少ないです。慣れもありますし、酔い止めを飲んで対応すれば多くの人は大丈夫です。
まとめ
未経験から船員になるために必要な条件は、たった4つです。
✅ やる気 ✅ ある程度の体力 ✅ 集団生活ができる ✅ 長期間家を空けられる
これさえクリアできれば、資格や経験がなくても船員になれます。 「お金を稼ぎたい」「今の生活を変えたい」と思っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
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物流業界への転職を考えている方は、専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。
私は母親の知り合い経由でしたが、普通はそんなコネクションはありません。
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- 履歴書添削や面接対策もしてくれる
海技士資格の取得を目指すなら
船員としてキャリアアップするには、海技士の資格が必須です。
海技学校や通信講座で勉強するのがおすすめです。
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この記事が、あなたの転職の参考になれば幸いです。
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執筆者プロフィール
元トラックドライバー(3年)、現在は内航船の船員(2年目)。 物流業界での実体験をもとに、転職や働き方について発信しています。

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