トラックドライバーから船員に転職した理由と本音【年収・労働環境を比較】

私は3年間トラックドライバーとして働いた後、未経験から内航船の船員に転職しました。

この記事では、以下の内容を給与明細レベルの数字も含めて包み隠さずお話しします。

  • なぜトラックドライバーを辞めたのか?
  • なぜ「船員」を選んだのか?
  • 年収は実際にどう変わったのか?(重要)
  • 実際に働いてみての本音

「トラックを降りて別の仕事をしたい」「船員の仕事で稼ぎたい」と考えている方の参考になれば幸いです。


トラックドライバーを辞めた「本当の理由」

きれいごと抜きで、辞めた理由は大きく2つあります。

1. 給料が頭打ちだった

一番の理由は、これ以上給料が上がる見込みがなかったことです。 トラックドライバー最終年の年収は511万円。これが私のピークでした。

決して悪い金額ではありません。しかし、現実はシビアでした。

  • 今後もほぼ上がる見込みがない
  • 退職金制度がない
  • 賞与(ボーナス)は寸志程度

「このままでいいのか? もっと稼いで将来のために貯金したい」 そう強く思うようになり、天井が見えてしまった現職に限界を感じました。

2. 不公平な職場環境(所長の対応)

もう一つの大きな理由が、人間関係と評価制度の理不尽さです。

特に納得がいかなかったのが**「仕事の割り振りの不公平さ」**です。 運行も荷物も楽な定期便を、特定の人が独り占めしている状態でした。そのしわ寄せで、きつい仕事ばかりが他の人に回ってくる。会社に訴えても、所長の気分次第で何も変わりませんでした。

手当に関しても完全に「言ったもん勝ち」。申告しないともらえない、指摘すると露骨に嫌な顔をされる。 仕事自体は嫌いではありませんでしたが、この環境で働き続けるモチベーションは完全に消えていました。


なぜ「船員」を選んだのか?

きっかけは親戚の「船乗ったほうがいいよ」

転機は2024年4月、親戚の葬式でした。外航船の船長をしていた親戚に**「船、乗ったほうがいいと思うよ」**と言われたのです。 以前も言われたことはありましたが、仕事に悩み、将来に不安を感じていたこのタイミングだったからこそ、その言葉が刺さりました。

船員を選んだ3つの決め手

  1. 給料が高いイメージがあった(とにかく稼ぎたかった)
  2. 長期乗船が自分に合っている(休みの日にやることがないなら、働いて稼ぎたい)
  3. 貯金ができる(生活費がかからない環境に行きたかった)

転職活動の流れとスピード感

私は転職サイトを使わず、**縁(コネクション)**で入社しました。

  • 5月後半:母親の知人経由で今の会社へ連絡
  • 6月12日:面談
  • 6月13日:前の会社に辞表提出
  • 7月1日:入社

未経験・無資格でも即採用

小型船舶1級は持っていたものの、大型船には使えないため実質**「無資格・未経験」**です。 それでも「いつでも来ていいよ」と言われ、無職期間を作らずにスムーズに転職できました。

行動あるのみ

親戚に言われてから即行動しました。「悩んでいる時間がもったいない、ダメならまた考えればいい」という勢いが重要だったと思います。


【公開】年収と給与のリアルな変化

一番気になるお金の話です。

時期職業およその年収
最終年トラックドライバー約510万円
1年目船員(甲板手)約460〜470万円
2年目(予定)船員(甲板手)約530〜540万円

最初の1年は年収ダウン

正直なところ、初年度は約50万円ダウンし、「あれ?思ったより低いな」と思いました。 しかし、船員には昇給システムがあります。2年目からはトラック時代を超え、さらに上の役職(士官)になれば600〜900万円も現実的に目指せます。 「初年度のダウン」だけで判断せず、長期的な伸びしろを見ることが大切です。

船員独特の給与システム(重要)

船員の給与は**「乗っているか、陸にいるか」**で大きく変わります。

  • 乗船中:月約42〜43万円(手当込み)
  • 休暇中:月約25〜26万円(基本給メイン)

さらに強力なのが**「長期乗船手当」**です。 基本は3ヶ月乗船ですが、91日目からは毎日手当がつきます。長く乗れば乗るほど、給料が青天井で増えていく仕組みです。

ボーナスと休暇買取制度

  • 賞与:年4.6ヶ月分(私の会社の場合)。トラック時代の寸志とは桁が違います。
  • 休暇買取:これが凄いです。年間休日(105日)を消化しきれなかった場合、会社が買い取ってくれます。
    • 10日まで:給与の約1.7倍
    • 11日以降:給与の約1.5倍 ※会社や規定により倍率は異なりますが、「休まない=お金になる」制度は稼ぎたい人には最強です。

労働環境と生活リズム

勤務時間とシフト(ワッチ)

トラック時代は「朝から晩まで走りっぱなし」でしたが、船は**4時間交代制(ワッチ)**です。

  • パーゼロ:8:00〜12:00 / 20:00〜24:00
  • ゼロヨン:12:00〜16:00 / 0:00〜4:00
  • ヨンパー:16:00〜20:00 / 4:00〜8:00

1日8時間の当直に加え、入出港や荷役作業があれば総労働時間は長くなります。最初は生活リズムを掴むのに苦労しましたが、慣れれば問題ありません。

実際に乗ってみて感じたギャップ

  • 専門用語だらけ:最初は宇宙語を聞いているようでした。
  • 力仕事が多い:ただ舵を取るだけではありません。荷役準備、機器のメンテナンス、重い部品の運搬など、現場作業員としての側面が強いです。

船員になって良かったこと・メリット

  1. ネット環境が意外と快適 今乗っているタンカー船はStarlink(スターリンク)完備。月66GBまで使えるので、沖でも動画が見られます。(※船によります)
  2. 仮バースでの外出 待機時間は街へ遊びに行けます。全国各地の港に行けるのは役得です。
  3. お金が強烈に貯まる 食費・光熱費・家賃が乗船中はゼロ。使う場所もないので、お金は勝手に貯まっていきます。
  4. 人間関係 個室完備なのでプライベートは守られます。もちろん合わない上司もいますが、それはどの会社でも同じこと。今のところ「辞めたい」と思ったことはありません。

結論:転職して良かったか?

間違いなく良かったです。

初年度の年収ダウンというハードルはありましたが、それを補って余りある「将来性」と「貯金ペース」があります。

今後の目標:

  • 海技士免許(4級→3級)を取得する
  • 士官(航海士)に昇格し、年収600〜700万円台へ

これから転職を考える人へ

トラックも船も「物流」ですが、ライフスタイルは真逆です。

  • 毎日家に帰りたい → トラックドライバー
  • 家に帰れなくていいから、ガッツリ稼ぎたい → 船員

もしあなたが「現状の給料に不満がある」「体力には自信がある」「数ヶ月家を空けても平気」なら、船員の世界は最高の選択肢になるはずです。。


これから転職する人へのアドバイス

向いている人

  • お金を稼ぎたい人
  • 休みの日にすることがない人
  • 集団生活が苦にならない人
  • 体力に自信がある人

向いていない人

  • 毎日家に帰りたい人

これは絶対です。船の中で生活するので、長期間家に帰れません。

家族との時間を大切にしたい人、毎日家に帰りたい人には向いていません。

準備しておくべきこと

1. お金(10〜20万円程度)

船で生活するための生活用品や必要な物を最初に揃える必要があります。

2. 体力

力仕事が多いので、体力はあればあるだけいいです。

3. 資格の勉強は…微妙

未経験の場合、船の専門用語や仕組みが全く分からないので、事前に勉強しても正直よく分からないかもしれません。

筆記試験に合格しても、乗船履歴がないと口述試験を受けられないので、資格取得はできません。

最初から資格を持っておきたい、船の知識をつけたいなら、海技学校に通うのがおすすめです。(2年間、学費が必要)

転職前の自分にアドバイスするなら

「思ってたより最初の給与は高くないよ」ってことくらいです(笑)。

でも、何とかなります。行動してみれば分かります。


私が乗った船と経験

トラックドライバー時代(3年間)

1. 3トントラック(3ヶ月)

  • 未経験スタート
  • 半導体、自動車部品、雑貨などを配送

2. 4トントラック(4ヶ月)

  • 同様の荷物を配送

3. 大型トラック(10ヶ月)

  • 長距離運転開始
  • 半導体(機械系)を中心に、ほぼ何でも運んだ

4. 21mフルトレーラー(残りの期間)

  • 自動車部品を専門に配送

船員時代(現在2年目)

1. RoRo船(最初)

  • トレーラーシャーシを積み込める船

2. タンカー船(現在)

  • 液体貨物を運ぶ船

まとめ:トラックドライバーから船員への転職

転職の決め手

  • 給料の頭打ち
  • もっと稼ぎたい
  • 長期的なキャリアアップ

転職後の変化

  • 初年度年収:約50万円ダウン
  • 2年目以降:逆転
  • 将来的には大幅アップの見込み

本音

最初は「給料低いな」と思いましたが、長期的に見れば正解でした。

体力的にはキツイこともありますが、お金が貯まるし、将来性もあります。

転職して良かったです。


物流業界への転職を考えている方へ

トラックドライバーも船員も、どちらも「物を運ぶ」という意味では同じ物流業界です。

でも、働き方や給料、キャリアパスは全く違います。

  • トラック:毎日家に帰れる、給料は頭打ちしやすい
  • 船員:長期乗船、給料は上がりやすい、生活費がかからない

どちらが自分に合っているかをよく考えて選んでください。

私の場合は、「お金を稼ぎたい」「休みの日にすることがない」という理由で船員を選びました。

あなたにも、あなたに合った働き方があるはずです。


転職をサポートするサービス

物流業界への転職を考えている方は、専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。

私は母親の知り合い経由でしたが、普通はそんなコネクションはありません。

転職エージェントなら、

  • 無料で利用できる
  • 業界に詳しいアドバイザーがいる
  • 非公開求人も紹介してもらえる
  • 履歴書添削や面接対策もしてくれる

海技士資格の取得を目指すなら

船員としてキャリアアップするには、海技士の資格が必須です。

海技学校や通信講座で勉強するのがおすすめです。


関連記事

  • 【未経験から内航船員になる方法】
  • 【船員の給料はいくら?階級別に解説】
  • 【海技士資格の取得方法と費用】
  • 【トラックドライバーの年収と労働環境】

この記事が、あなたの転職の参考になれば幸いです。

何か質問があれば、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。


執筆者プロフィール

元トラックドライバー(3年)、現在は内航船の船員(2年目)。 物流業界での実体験をもとに、転職や働き方について発信しています。

コメント

  1. […] トラックドライバーから船員に転職した理由と本音【年収・労働環境を比較】 […]

タイトルとURLをコピーしました